[社会][雇用](多分リバタリアンに近いと思う)僕の雇用問題に対する考え

ずっとZopeジャンキー日記というブログをRSS購読していた。その流れで池田信夫氏城繁幸氏などの論者のブログやTwitterを購読するようになり、僕の基本的な政治的スタンスに近い識者がたくさんいることがわかった。
また、「小さな政府」「規制緩和」「市場による競争」「雇用の流動化」「政府によるセーフティーネット」を重視する彼らのスタンスを新自由主義者とかリバタリアンというのだと知った。(間違ってるかもだけど)

もちろん僕は一介のエンジニアで、専門の議論に加われる力はないのだけど、彼らの発する言葉が自分が思っているけど上手く言えない考えを正しく表現してくれているのを見ると、気になったエントリには自分の意見を述べてBlogを書くとか、Twitterで紹介するとかTumblerに入れるとか、できるだけ応援したいと思う。

今回はZopeジャンキー日記から。このブログの雇用の問題に関する著者のスタンスは僕と本当に近くて、初めて読んだ時からすぐRSS購読し続けているが、明らかに考えが違うなと感じたことが一度も無い。むしろいつも新しい観点から刺激を与えてくれる、僕に取ってとてもありがたいブログだったりする。

実際上は、自分が働いた企業がブラック企業だと感じても、「ブラック企業だ」と声をあげる人はほとんどいないだろう。その労力に対して、メリットが少ないからだ。普通の人は、「イヤなら辞める」だけだ。しかし、この「イヤなら辞める」ことをむずかしくしているのが、日本の雇用規制なのだ。雇用規制が強いために、日本の企業は解雇が難しく、よって採用も少なくなってしまう。このために社員も転職が難しくなり、「イヤなら辞める」ことが難しくなっているのだ。

この構造がわかれば、「ブラック企業を政府がきびしく取り締まれ」という声を強めることは、むしろ逆効果になりうることが理解できる。ほんとうにブラック企業を減らすことを目指すならば、政府が規制を強化するのではなく、「イヤなら辞める」ことを容易にすること、つまり逆説的なようだが、規制を緩和して「企業が解雇をしやすくする」ことが必要なのだ。 - 「ブラック企業」を叩けば叩くほど、「ブラック企業」は増えるかもしれない -Zope ジャンキー日記

まさにそのとおりだと思う。そもそも経営がうまく行っていないブラック企業は社員に払うお金が無いのだ。そんなところに政府が規制をかけて従業員を守ろうとしても、その結果会社が倒産してしまうことになれば、従業員のためにも全然ならない。政府がすべきは、この問題に関わるのではなく、セーフティネット雇用保険でも良い)をしっかり拡充し、「退職しても2-3年食べていける」まずこの感覚を社会全体に宣言する必要がある。そしてその上で解雇規制を緩和して、柔軟な人材体制を作りやすくする。今ブラック企業で辞めたくても辞められない人の殆どは、辞めたら食べていけないことが不安なのだ。やめたら転落して、ひどい場合ホームレスにまでなってしまうかも知れない、そう感じさせるほどの雇用の硬直化が大問題なのだ。

この方法は、一見、普通の人には受け入れがたいと思う。まず、解雇される可能性があるという恐怖。そして、2,3年後に本当に雇用の流動化が進んでいるのかという恐怖だ。2,3年で変わるかどうかは分からないが、この国の企業の解雇に対するネガティブな態度は、あと5年もしないうちに変わると断言できる。一番重要なのは、その時にセーフティネットが拡充されていることと、流動化した雇用市場で、別の会社にとって価値のあるスキルを身につけていられるかなのだと思う。