日本の殆どの問題って、やっぱり将来への不安だと思うんだ

”この国では、一度レールを降りたらすごく惨めなことになる可能性が高いということを、みんな嫌というほど知ってるから。”

  • 官僚が権益を増やしたがるのも、天下りがなくならないのも。
  • 出版社・新聞社は書籍電子化アレルギーの中、黒船(Amazon,Apple,Google)来襲に向けて無駄なWG作っているのも。
  • TV局は電波利権を決して手放さず、周波数割り当てがガラパゴス化しようとしているのも。
  • 破綻したJALとか亀井さんの意のままの(ようにみえる)日本郵政に入りたがる就職活動の学生が沢山いるのも。
  • 八坂神社の絵馬に「子供が一生同じ会社で働けますように」って祈願したお母さんも。
  • ロビー活動で医薬品のネット販売を規制しちゃったりするのも。
  • 正規雇用の男子の未婚率が70%もあるのも、当然少子化がどんどん進行していくのも。
  • 公務員試験の採用人数が、来年度4分の1になるらしいのも

全部全部、将来に対する不安なんだと思う。自分はこの仕事を離れても価値を出していけるのか?食べていけるのか?

”この国では、一度レールを降りたらすごく惨めなことになる可能性が高いということを、みんな嫌というほど知ってるから。”

僕はこの問題こそが、政府が解決しないといけない問題だと思うんだ。レールから外れたら惨めになるのが分かってるから、誰もが怖くて縮こまっちゃっているこの国を、なんどでもやり直せる社会に変えないといけない。レールを降りて3年くらい歩いてみても、また違うレールに乗れるんだよってことを、つまり雇用の流動化を国が必死で実現しないと。

僕にはこれが一番いい案なのか正直分からないけど、たとえば国がベーシックインカムを支給し、2,3年仕事をしなくてもベーシックインカムで十分食べていける。それを政府が必ず保証することと、それとセットで企業の解雇規制を撤廃すること。なぜなら、そもそも人間が社会人として働く約40年くらいの間、事業ポートフォリオも変えず従業員の雇用を守り続けることなんて、どう考えたってできっこないんだから。

一時的に失業者がものすごく増えるだろう。けど、スリムになった会社は絶対まだ世界を目指せる。本当は競争力のある会社は沢山あるんだ。その時不幸にも仕事を失ってしまった人たちも、今、その状況においては必要でなかったというだけで、やり直しさえできればいくらでも必要とされるチャンスはあるんだ。しばらくベーシックインカムで慎ましく暮らしているうちに、社会の歪みがなくなって、新しい産業セクターが育ち雇用が生まれる。

一度そういうふうに雇用の流動化が進まないと、この国の将来への不安って無くならないよね。

繰り返すけど、そうしないと、日本の殆どの問題って、やっぱり将来への不安なんだと思うんだよ。


追記 2010/5/10 関連エントリを書きました。こちらも是非読んで欲しいです。